2016年01月25日

Dagliavetineができるまで

※作品本体はサイトからダウンロードできます。

今回は架空地図『Dagliavetine』ができるまでの連続画像をご紹介。
後日、もっと細かい解説や地域設定なんかを添えた本が作れたらと思う。

『Dagliavetine』は本格地図ファンからはあまり評判良くないであろう完全ファンタジーな架空地図。
いろいろな架空地図があって良いという架空地図業界自体を俯瞰した視点のもとに制作開始。

<構想>
今回は紙や画像の下書きはない。コンセプトのみ細かめに決めた。概要だけ書くと、
1.外国人でもわかるよう、アイコンを多用し文字情報は少なくする。
2.1:2000でA0サイズ、カラフルで絵的に楽しめるものにする。
3.オープンな地上道路はなく、水路と橋と公共建物と広場と鉄道で全ての移動が賄われる。
4.建物は必ず広場に間口を持つ。また、窓を作るための空間をなるべくいくらか持つ。
5.広場には名前があり、それはイタリアの通り名から拝借する。
6.城があり、やや観光的な都市にする。
7.広場は必ず公共建物と水路に接する。
というような感じだ。

これをもとに、AR_CADで水路で囲まれた島の形をいきなり描いていく。
なお都市名については後から考え、この時点では「広場と水路」というフォルダで作業していた。
この作品に限らず、私は都市名や地名は後からつけたがるのだ。

20160125_001.jpg
ちょっと拡大した画像(しかなかった)。
広場にはメモとしてCampoと書かれている。
Campoとは広い場所や田園を表すイタリア語だがヴェネチアでは広場の意味だ。
公共施設の内容もイタリア語で書いたが間違っているかもしれない。

20160125_002.jpg
次に、建物の境界を描いていく。
基本的に建物がギッチリ詰まっているという設定なので、感覚としては筆界(土地境界)を描くのに近い。
あまりに小さくなり過ぎないように、間口や窓のスペースを忘れないように、
またあまりに退屈な区割りにならないように、パズルのように埋めていく。
もちろん大きな建物にはそれなりの用途も想定していく。これは描きながら考えた。

20160125_003.jpg
真ん中やや上には小さな建物が密集し広場との境界が不揃いな、
古い街またはスラムっぽいと読み取れそうな島をいくつか作ることにした。

20160125_004.jpg
あまり進んでいないがちょっと色を濃くして雰囲気を確認。
描きこんでいるこのラインは位置取りのためだけではなく、完成状態でも使用する。
色をつけるためにはこの線にぴったり重ねたポリゴンを上から描くのだが、
その外縁は一周全体でしか色ありかなしか選べない(線の途中からは変えられない)ので、
外枠は外枠で必要なのだ。このあたりはAR_CADの仕様を考えた結果である・・・。

20160125_005.jpg
だいぶ進んだ。だいたい1日分でスクショしているばずだが作業時間はまちまち。仕事もしてるし・・・。
あ、来年度に向けてリアル地図or架空地図のお仕事募集中です!!(切実)
ご連絡はこちらへ。

20160125_006.jpg
右側は島ではなく起伏があり、農地や墓地があるということにした。こぢんまりとした村の雰囲気。
またこの地図の水路は海ではなく、農業用水路の巨大版のようにでかい川から取水してまた合流する、
という設定であることにした。従ってそこまで広くはなく、このあたりが一番太い地域であると思う。多分。

20160125_007.jpg
建物が描きあがったので、まず広場に色を付けていく。この時点では一様な色としている。
また、線路の確定ラインを作成。

20160125_008.jpg
公共建物に色を付けた(濃い桃色)。のちの橙色に変更する。

20160125_009.jpg
濃い緑の建物は、住宅専用建物。用途地域でも緑色だしこれでいいかなという安易な配色。

20160125_010.jpg
青は工業建物、黄色は商業専用建物。城は仮に薄めのオレンジで塗られている。
このへんは配色よりもとりあえずポリゴンを作ることに専念。

20160125_011.jpg
薄緑色は商業との併用住宅。
ポリゴンの入力がだいたい終わって、全域に色を乗せることができた。
このあとで広場が桃色の濃淡2色になった。これは等級を表している。
色の濃い広場が1等級の広場で、宗教施設と思しき塔を備え、各島に1つ以上あるという設定。
この時点ではアイコンがないので「どれが主要そうな広場か」のみ考えて分けたのだが。

20160125_012.jpg
アイコンを作る。このへんはド素人なので稚拙なのはわかっているが・・・。
意外と種類が増えてしまった。

20160125_014.jpg
試しにアイコンを配置していく。
また、各建物の総階層を赤数字で示した。これで少し景色がイメージしやすくなったかな。

20160125_015.jpg
色をだいたい調整し、整飾などを作る。この時点で都市名は仮決定。

20160125_018.jpg
だいぶアイコンが埋まる。自分の中での整合性も取れていく。
アイコンの分布で地域性が変わるので、意外とやり直したり悩んだりもする。
工場の出入口には飲食や弁当の店があったり、ごちゃっとした飲み屋街があったり、
港の倉庫街があったり、また元倉庫だったものが転用されたり、など。
航路も描きこんでいく。船の向きを意識しつつ、接岸可能な船着場を選択。のちに系統番号もつけた。

20160125_019.jpg
だいたい完成バージョン。広場名は最後に入れた(この作業の手前でちょっとモチベーション落ちてた)。
航路は濃淡で往路復路がわかるように工夫(接岸する側が違うので同一路線ではない)。
また建物上層に施設がある場合、階層を灰色数字で書き入れた。
ただし地階から数えているため、日本の感覚だと+1する必要がある。
広場には名前のほか、島番号−広場番号がユニークコードとして付されている。

小さくて見えないと思うので、ぜひサイトからダウンロードを。
pixivにもあるよ!

20160125_020.jpg
こちらは後日、印刷用に少し色を調整したもの。あんまり濃いとうるさくなってしまうので。


ということで、だいたいこんな流れで制作されていったのだった。
もう2年前なのであんまり覚えてない部分もあるけど・・・。
昨年は完成品を新たに作れなかったので、今年は頑張りたい・・・。

電子書籍で『Dagliavetine』の案内および制作の細かい過程なんかを作れるように、
ちょっとずつ進めていこうかなと思うので、お楽しみに。
posted by 架空地図測量所長(しかすけ) at 22:47| 作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月24日

2016年は・・・

もう24日ですが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


今年は架空地図作品を3作描くぞ、というのが2016年のしかすけの目標のひとつ。
ということでこのブログでもその経過報告はもちろん、
過去作の話(途中でのスクショもあるし)なんかも増やせたらと思う。


とりあえず1作目として、あまり何も考えずに首都的な街を描いている。
実は全体のラフや設計くらいまで描いて放置してるものはいくつかあるのだが、
これは必ず完成させる。別に内容的にどうということはないけれど。

003.png

フォーマットは武南市のものを使っているが見た目は少し変わる予定。
posted by 架空地図測量所長(しかすけ) at 21:55| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

今年の架空地図創作と来年と

 とかいうタイトルをつけてみたはいいものの、実際にはこれという完成品を描かなかった、というのが話のほぼすべて。途中(下書き線を全面に入れる程度)までやってみて「ああこういう作業はこれくらい時間かかるな」とか、「この手順のほうがやりやすいな」とか、そんなことばかりやっていたためだ。ツールは相変わらず、AR_CADが主体だった。QGISは思ったより使えなかった(落ちやすい、作図弱い、スナップ重い)。それらの試行錯誤により、作図の組み立ては以前よりマシになったように思う。見た目には影響しないだろうけど。なお、既存作品のPDF版はいくつか新しくした(Adobe Acrobat X を買ったから)。


 下書きや構想だけはいろいろと練った。自分が可能であると思っている架空地図のバリエーションを自分で形として示していく下地となればと思うが、やはりやるとなると時間がかかってしまう。今年は散策会と散策資料作成に自由時間を食われてしまったので、全然形にならないまま年を越しそうだ。あそうそう、ちりっこという漫画をちょっと描いたのも今年だ。続きは年末年始に時間あったら描きますよ。ネタはあるのよ。絵が上達しないだけでな。


 メディア関係の打ち合わせや地図BARなどで架空地図の話が多少できたのは良かった。私は創ったものの反応を得る機会が非常に乏しいので、こういうことが多少でもあると嬉しい。刺激にもなるし、架空地図に限らないが話をしたい思いは常にある。ただ、話ができる場にはなかなか呼ばれないので・・・。来年はもうちょっと呼ばれる人になりたいものだ。トークイベント的なものは何とか1回やってみたい。

 さほど地図好きというわけでもない人には『Dagliavetine』がわりとウケが良かったなあ。というのが発見といえば発見だった。ご意見のサンプルが少ないので、そこから無理矢理何か言いたいということもないけど。



 来年は「公図のたのしみ方」という個人誌を出す予定なのと、架空地図のほうも非リアルな試験的なものを量産できたらなぁと思いつつも、貧乏暇なしな生活のためどうなることやら。何しろ地図の仕事自体に良い話が全然聞こえてこないのである・・・。お仕事募集中!


 いやあ、具体的な話がなんもないな!(具体的に何を描こうとしてるかは、また書きます。) まあとりあえず、来年前半のうちにA0作品1面くらいは描きたい。残りの作品紹介もそのうち追加するので、よろしくです。今年もお付き合いいただきありがとうございました。

posted by 架空地図測量所長(しかすけ) at 00:02| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする